共依存とは?

「共依存」という言葉を聞くと、
「依存はよくないこと」「自立できていないこと」
というイメージを持つ人もいるかもしれません。

しかし、最初に知っておきたいことがあります。

人は誰かに頼りながら生きる存在です。

友人、家族、パートナー。
人は支え合いながら生きています。

心理学でも、人が他者とのつながりを求めることは
とても自然な心の働きとされています。

そのため、
誰かに頼ること自体が問題なのではありません。

では、「共依存」とは何を指すのでしょうか。


共依存という言葉は、もともと
アルコール依存症の家族研究の中で使われるようになりました。

依存症を抱える人を家族が支えるうちに、

・相手の問題を自分が何とかしようとする
・相手の生活や感情を管理しようとする
・相手を支える役割から離れられなくなる

こうした関係が生まれることがあります。

このように、

相手の問題に強く巻き込まれながら関係が続いていく状態

を、共依存と呼ぶようになりました。


共依存の関係では、次のような特徴が見られることがあります。

・相手の機嫌や状態に自分の気持ちが強く影響される
・相手の問題を自分が解決しなければと思う
・相手を助けることが自分の役割のように感じる
・自分の気持ちより相手を優先してしまう

すると、次第に

相手を支えることが自分の存在価値のように感じられる

ことがあります。

その結果、関係が苦しくなっても
離れることが難しくなる場合があります。


共依存という言葉は、ときどき

「依存している人」
「自立できない人」

というイメージで語られることがあります。

しかし実際には、共依存の関係に入りやすい人は

・責任感が強い
・人を大切にする
・困っている人を放っておけない

といった特徴を持つことも多いと言われています。

つまり、それは弱さというよりも

人を大切にしようとする力が強い

とも言えるのです。


人間関係は本来、

・支えるときもある
・支えてもらうときもある

という形で成り立っています。

しかし共依存の関係では、

支える側と支えられる側のバランスが崩れてしまう

ことがあります。

その結果、

・自分の気持ちがわからなくなる
・相手に振り回されてしまう
・関係から離れにくくなる

といった苦しさが生まれることがあります。


ここで大切なことがあります。

人は完全に自立して
誰にも頼らず生きているわけではありません。

人が誰かに頼ること、
誰かを必要とすることは

人間にとって自然な心の働きです。

問題になるのは

「依存」そのものではなく、

関係の中で自分を見失ってしまう状態

です。


人間関係が健全に保たれるためには、

・相手を大切にする
・自分の気持ちも大切にする

この両方が必要になります。

どちらか一方だけではなく、

自分も相手も大切にできる関係

が少しずつ増えていくと、
人間関係は楽になっていきます。


共依存という言葉は、
ときに重く聞こえることがあります。

ですが、それは

「ダメな関係」
「悪い人」

という意味ではありません。

これまでの人生の中で身についた
人との関わり方のパターン

の一つとして理解することができます。

そのパターンに気づくことが、
人間関係を見直すきっかけになることもあります。