🌿【シリーズ:なぜ私はあの人から離れられないのか?②】
🔮 DVサイクルの“優しさ”はなぜ心をつかむのか — 報酬不確実性という罠
「怒られる時はすごく怖いのに、
優しい時はまるで別人みたい…」
DV・モラハラの関係には、
“急に優しくなる時期”=ハネムーン期 があります。
・泣いて謝ってくる
・「もう大事にする」と言われる
・急に家事や育児をし始める
・花を買ってくる
・仕事を頑張り出す
この“突然の優しさ”は、心を強く揺さぶります。
でも、それはあなたが弱いからでも、依存しているからでもありません。
これは 人間の脳の仕組み と
DVのサイクル によって起こる、
誰にでも起こりうる“自然な反応”です。
この記事では、
DVサイクルと“優しさの麻薬性”をやさしく整理し、
少しでも気持ちが軽くなる視点をお伝えします。
🍃 DVサイクルとは? — 3つの段階の繰り返し
💭 ① 緊張が積み重なる時期(静かなストレスの時間)
家の空気が張りつめ、
「また怒られるかも…」と先を読んで行動する時期。
あなたの心は、
“察して動く”ことで自分を守ろうとしています。
💭 ② 事件・爆発の時期(攻撃が起きる段階)
怒鳴り・無視・威圧・物に当たるなど、
「怖い」「つらい」と感じる出来事が起きます。
この時期、多くの人が
「限界かもしれない…」
と考えます。
💭 ③ ハネムーン期(急に優しくなる段階)
そして突然、別人のように優しくなる瞬間が訪れます。
- 涙を流して謝る
- 「ずっと一緒にいたい」とすがる
- 子どもに優しい
- 家事・育児を積極的にする
- プレゼントや気遣いが増える
この“落差”が、心に強い衝撃を与えます。
DVサイクルは
つらい → 優しい → つらい → 優しい
を繰り返すことで、離れにくさを作る構造です。
🍃 “優しさ”が心をつかんでしまう3つの理由
💡 ① 落差が大きいほど、安心感が強く刻まれるから
つらい時間のあとに来る優しさは、
何倍にも大きく感じられます。
脳は
「ストレス → 安心」
の落差を快感として記憶しやすいのです。
💡 ② 予測できない優しさは依存を生みやすい(報酬不確実性)
心理学的には、
“たまに手に入る優しさ”がもっとも依存性が高い
とされています。
- 来るかどうか分からない
- タイミングが読めない
- いつ起きるか予測できない
この“不確実な優しさ”は
ギャンブルに似た心理構造を生み出します。
あなたが弱いわけではありません。
脳の仕組みに反応しているだけです。
💡 ③ 「本当は優しい人なんだ」と希望が生まれてしまうから
ハネムーン期は、
過去の優しかった記憶を呼び起こします。
「この姿が本物なんだ」
「また戻ってきてくれた」
と信じたくなるのは自然なこと。
心が“安心”を求めた結果であり、責める必要はありません。
🍃 あなたが悪いわけではない — 心がそう感じる理由
🌼 ① 優しさに心が揺れるのは“人として自然”
誰でも、優しさを向けられれば信じたくなります。
それは弱さではなく、
人として当たり前の反応です。
🌼 ② あなたの優しさが“希望”をつくっていた
「また優しくしてくれるかもしれない」
と願うのは、あなたが情の深い人だから。
その優しさは、とても大切な部分です。
🌼 ③ 子ども時代の経験が“安心への反応”を強めることがある
幼少期に
- 親の機嫌を読む
- 我慢する
- 場を落ち着かせる
- 役割を背負う
こうした経験があると、
ハネムーン期の“優しさ”が
必要な安心として強く感じられることがあります。
これはあなたのせいではありません。
心が身につけてきた生きる知恵です。
🍃 少し楽になるための3つの視点
🤍 ① 優しさが「続くもの」かどうかを、そっと見てみる
一瞬の優しさと続く優しさは違います。
“続く優しさ”だけが本物です。
🤍 ② 言葉と行動が一致しているか、ゆっくり感じてみる
謝る言葉と行動が結びついているかどうか。
これは変化を見る大切なポイントです。
🤍 ③ 優しさの波が来た時こそ、自分の中心に戻る時間をつくる
優しさに揺れやすい時期は、
実は一番冷静さを失いやすい瞬間。
深呼吸して、
「私はどうしたい?」
と自分に聞いてみることが大切です。
🍃 まとめ — 優しさに揺れるあなたは悪くない
優しさに引き戻されてしまうのは、
あなたが“弱いから”ではありません。
あなたの心が、
安心を求めてきた結果であり、
人として自然な反応です。
ゆっくりで大丈夫。
ひとつずつ心の仕組みを知ることで、
未来は少しずつ軽くなっていきます。


