🌿【シリーズ:なぜ私はあの人から離れられないのか?④】

🌸 孤立させる支配 — 情報の遮断と世界が狭くなる怖さ

気がつけば、
「相談できる人がいない」
「友達と連絡を取りづらい」
「外の世界が遠く感じる」

そんな状態になっていませんか?

DV・モラハラの関係では、
“孤立”を生み出す仕組み が静かに進んでいきます。

それは大声で怒るわけでも、
明らかな暴力でもなく、
もっとわかりづらい、日常的な積み重ねで起こります。

この記事では、
“孤立させる支配”がどのように心と生活を狭めていくのか、
心理学の視点からやさしく整理していきます。

あなたが悪いわけではありません。
これは 加害者が意図的・無意識的に作る構造 なのです。


🍃孤立はこうして始まる — 3つの日常的な変化

💭 ① 友人との距離が少しずつ広がる

加害者は直接こう言うかもしれません:

  • 「あの友達、ろくでもない」
  • 「お前は俺だけ見ていればいい」
  • 「家のことを優先しろよ」
  • 「誰と連絡してるんだ?」

最初は軽い言葉でも、
何度も繰り返されると、
会う・連絡すること自体が“気まずい” と感じてしまいます。

その結果、
気づかないうちに、あなたの周りから
味方になってくれる人が消えていく のです。


💭 ② お金や生活が“相手中心”になっていく

家計・財布・キャッシュカードを握られると、

  • 自由に動けない
  • 子どもと出かける余裕がない
  • 離れたい時に選択肢がない

こうした状態が続きます。

経済的なコントロールは、
DVではよくある“見えない鎖”です。

あなたの自立性がそぎ落とされ、
「一人ではやっていけないかも…」という不安を強めます。


💭 ③ 「相談できる人がいない」という思い込みが強くなる

孤立が深まると、
本当は相談できる相手がいたとしても、
“迷惑になる” “重いと思われる” と考えてしまいがち。

これは、加害者が
「俺以外に頼れる人はいないだろ」
という言葉や態度で
“あなたの世界の広さ”を奪ってきたためです。

孤立とは、
現実の問題であると同時に、心の中で起きる現象でもある のです。


🍃 加害者は“迷っている状態”を利用する — 3つの心理操作

💡 ① 不安な時ほど「優しく」なる

あなたが不安で弱っている時、
急に優しい言葉をかけたり、
家事や子どもの面倒を見てくれたりします。

これは“コントロールの強化”であり、
安心の錯覚を与えることで
離れにくい状態を作る ためです。


💡 ② あなたの迷いを“責任”にすり替える

迷いがあると、加害者はこう言います:

  • 「家庭を壊す気か」
  • 「子どものこと考えてる?」
  • 「俺を見捨てるのか」

これは罪悪感を強め、
あなた自身の判断を曇らせます。


💡 ③ 相談相手がいない=“自分が正しい”と思わせる

孤立させられていると、
加害者の言葉が“唯一の正解”のように感じられます。

これは心理学で言う
“情報の遮断による判断の偏り” です。

情報源が1つになると、
そこに依存してしまうのは自然な反応です。


🍃 孤立がもたらす心への影響 — 3つの変化

🌙 ① 「自分が悪いのかも」と思い込むようになる

情報が限られると、
相手の価値観や言葉がすべての基準になりやすい。

その結果、
自責感・混乱・自己否定が強まります。


🌙 ② 判断力が揺らぐ(正常な反応です)

孤独や不安が強まるほど、
冷静な判断が難しくなります。

これは「弱さ」ではなく、
孤立がもたらす自然な心理現象です。


🌙 ③ 自分の世界が“相手中心”に縮小してしまう

友達・家族・仕事・自分の趣味…
本来持っていた“あなたの世界”が
少しずつ奪われてしまいます。

でもそれは、あなたが悪いのではなく、
孤立させる支配の結果です。


🍃 あなたが悪いわけではない — 孤立は“仕組み”として起きる

🌼 ① あなたが気づけなかったのは自然なこと

支配はゆっくり進むため、
自分では気づきにくいのです。


🌼 ② あなたの優しさが“耐える力”になっていた

あなたの責任感や頑張りが、
この環境を生き抜くための力になっていました。

責める必要はありません。


🍃 少しだけ楽になるための3つの視点

🤍 ① 1人で抱え込まなくていいということを、思い出す

あなたは本来、
誰かに話してもいい存在です。


🤍 ② 自分の世界は、もっと広いということを思い出す

加害者の言葉だけが“正解”ではありません。
外の世界には、あなたを理解する人がいます。


🤍 ③ 小さくてもいいので「外のつながり」を1つ持つ

  • 相談窓口
  • 信頼できる友人
  • 一回きりの相談

たった1つのつながりが、
心を大きく支えます。


🍃 まとめ — 世界が狭くなっていたのは“あなたのせい”じゃない

孤立は、加害者が作り出す支配の構造です。
あなたのせいではありません。

少しずつで大丈夫。
あなたの世界は、
また広がっていく力を持っています。

あなたは1人ではありません。